2008年3月29日土曜日

将来の音楽制作

MacにCubase4をインストールしました。
24inchモニタで楽譜を書くのも便利になったけど、DAWもすごーく便利になることを実感。各トラックの表示や、ミキサー画面だけでなく、ソフト音源やエフェクトの設定など、いろいろなWindowをいっぺんに見れるのって素晴らしい。
何度も書いているけれど、いまどきの音楽ってほとんどパソコン上で作れるくらいになっているし、実際プロの音楽制作の現場でもほとんどの作業をパソコンでやっています。
以前は、PCでプリプロレベルの制作をして、スタジオで録音する、という流れだったのが、いまやどうしても生で録りたいもの以外はスタジオに入る前に全部出来ちゃっていたりするようです。
おかげで、音楽の制作費は相当安くなっているのですが、それ以上にCDが売れないし、そうなると音楽スタジオなんて日本から消えてしまいそうです。

もちろん、将来はもっともっと便利になるはず。
楽器のサンプルが安く出回るようになったり、楽器独自の奏法までパソコンでシミュレーション出来るようになれば、実際に演奏家がいなくてもほとんど実演と区別が付かないほどのクオリティのものが製作可能となるでしょう。
そして最後の砦はもちろんボーカルなのですが・・・、これも、今話題の「初音ミク」のようなボーカルシミュレーション音源が発達すれば、もっとリアルになってくるに違いありません。

となると、楽譜を書いて、シミュレーション音源を鳴らして、それにエフェクトをかけてミキシングをして、最後にマスタリングまでして、といった一連の流れが全てPC上で完結してしまいます。
エレクトロニクス系はもちろんのこと、ポップス系音楽だけでなく、オーケストラ系音楽だってもちろん可能。
そんな未来に人々に聴かれる音楽というのはいったいどういう姿になっているでしょうか?

2008年3月25日火曜日

福島のアンコンに行った

週末に福島で行われた第一回声楽アンサンブルコンテスト全国大会に行ってきました。
全国大会というと、私にとってこれまでは聞きに行くものだったのですが、なんと今回は歌いに行くことに。
ただし、私たちの結果はここで言及するのは止めておきましょう。^^;

福島では花粉がひどくて、当日私を含む多くのメンバーが花粉症でひどい目に合いました。やはり、東北のほうは花粉のピークがちょっと遅れるんでしょうかね。それとも、静岡には無いタイプの花粉で私たちには免疫がなかったのか。

土曜日までに全団体の演奏は終わり、日曜日には各部門の金賞団体による本選が行われました。さすがにどの団体も素晴らしい演奏でしたが、その中でも個人的に印象に残った演奏をご紹介しましょう。

・コール スピリタス
見る限り、秋の全国大会でお馴染みの「なにわコラリアーズ」の面々にしか見えません。名は違えど、なにコラの精鋭メンバということでしょうか。
北欧中心の選曲ですが、日本語の曲やシューベルトの曲なども散りばめて、どのようなジャンルであっても、全て彼らの手の内で料理されてしまいます。やわらかさと輝かしさを兼ね備えた音色がとても心地良かったです。
高校生団体とは一味も二味も違う余裕さ、全体から溢れる軽やかさが、もはやプロと言ってもいい貫禄を感じさせます。
終曲は以前、宝塚でも聞いたような・・・。わかっちゃいるけど、ちゃんと楽しめました。

・宮城県第三女子高校音楽部
いつもはOG合唱団を全国で聞くくらいで、大合唱団という印象しかなかったのだけど、16人で歌うこの高校生の歌声は本当に美しかったです。
他の高校生の演奏に見られたある種の必死さ、あるいは限界ギリギリでの音楽作りではなく、本質的に地力が優れていて、純粋に歌い手としての能力の高さを感じました。選曲もバラエティに富んでいて、旋律の綾をよく表現していたと思います。彼女らの明るく、真っ直ぐな声は、個人的には全団体の中で一番好きでした。

・福井市麻生津小学校
一般の部で出て、最終的には第一位を取ってしまった恐るべき小学生6人組。
何と言うか、この少女らの演奏は今回のアンコンの一つの奇跡だったと言えるかもしれません。小学生にして、これほどの音楽的素質を持ち、なおかつ均質な声と感性を持った子たちが同じ小学校で6人集まったこと、これだけで奇跡と呼べるのではないでしょうか。もちろん、少女らの影に有能な指導者がいることは疑うべくもありません。
演奏の力もさることながら、彼女らの声質と福島市音楽堂の音響とのマッチング、また選曲といった面においても、この小学生アンサンブルの魅力を増幅させた原因として挙げられるでしょう。

少人数アンサンブルという形が、このように注目されるようになれば、またさらなるレベルアップにも繋がると思います。大合唱には無い、繊細な音色の魅力に今回改めて気が付いたような気がします。

2008年3月20日木曜日

Sibelius5を使う

新PC、新バージョン導入の幾多のトラブルを乗り越えつつ、何とか使えるようになりつつあります。
これまで、音を鳴らすのに大昔に買った外部MIDI音源を使っていたのですが、せっかくSibelius5で立派な音が付いてきたので、ぼちぼちソフト音源中心にしてみようかと考え、今のところMIDI音源はMacに接続していません。

ただ、私みたいに下手にMIDI知識があると(いや自慢でなくて、仕事上覚えざるを得ない)、Sibeliusが一生懸命面倒なMIDI設定を隠そうとしているのが非常にじれったいのです。
このソフト、譜面を書く人の気持ちにとてもこだわっているのが伝わり、その姿勢には大いに共感するのだけど、そのためほっとくとどこまでも自分で最適な状況を作ろうとして、私からすると裏で何やってるかわからない、という難しい動きをします。
例えば、Sibeliusでは、MIDIが16チャンネルあるとか、音を変えるには各チャンネルにプログラムチェンジを送るとか、そういうことを全く表に見せません。楽譜上にバイオリンのパートがあれば、(勝手に)バイオリンを鳴らす、ただそれだけ。
なので、MIDIレベルで再生を制御したいと思うと、なかなかもどかしい思いを感じることになります。

もちろん、音符を書きたい人がMIDIのことなんて知りたくもない、というのは確か。
しかし、世の中の音楽のほとんどがDAW上で作られている昨今、こういったプロ用の浄書ソフトもいずれDAWと接近せざるを得ないでしょう。であれば、もう少しスマートなMIDI機能との結合の仕方もあるような気がします。
��そういえば、DAWソフトのCubaseには、逆におまけの浄書機能があるわけですが)

SibeliusもAvid陣営に入ってしまったので、DigiDesignのProToolsとかと連携を取るようになってしまうのでしょうか。Cubaseを使っている私としては、ヤマハがSibeliusを手放したのが残念な気持ちなのですが・・・(最後は業界ネタになってしまった)

2008年3月15日土曜日

Back To The Mac

前回の記事は、今回の話の布石になっていたのです。
実は、3年ぶりくらいにパソコン購入しました。iMacの24inchモデルです!!
私が最初に買ったパソコンは、かれこれ20年ほど前、Macintosh Plus でした。それからしばらく、Mac党だったのですが、10年ほど前に世の趨勢に負けてWindows環境に移行しました。(その頃の談話はこちら
それから今までは Windows Only。今回のiMac購入で、10年ぶりに Macの世界に戻ってまいりました。

たまたま、メインでつかっている浄書ソフトの Sibelius がバージョン5にアップしたので、新Mac+新Sibeliusで一気に浄書環境がグレードアップです。
Sibeliusはまだ使いこなしてませんが(いきなり Sounds Essential がインストールできないというトラブル中)、24inch画面で見る楽譜は感動モノ。これで作曲の能率も上がるはず。

当面は、メール/HP更新/Office は Windows で、iTunes/楽譜/MIDIなどの音楽関係は Mac で、と使い分けるつもりですが、だんだんと比率も変わってくるかもしれません。
今一番面倒なのは、Windowsで作った書類を、Macから見るとファイル名の日本語が化け化けになること。Macにコピーしてからリネームしまくってます。探せばいい方法はあるとは思うのだけど・・・

2008年3月9日日曜日

作曲とコンピュータ

大学の頃から、シーケンサとシンセサイザを使って音楽を作っていた私は、当然のごとくDTMの黎明期からパソコンを使った音楽制作をしていました。もちろん就職後は、仕事柄ということもあります。
パソコンを使った音楽制作、というのは、MIDIシーケンサで音源を鳴らしたり、楽器や歌を録音したりして、最後に全体を録音して音源を作ることを言うわけですが、クラシック系の場合、最終出力は楽譜なので、楽譜が最良に作れる環境が最も大事。そういう意味では、若干世で言うところの音楽制作(DTM)とはちょっと違います。

それでも、MIDIシーケンサで音を確かめながら作曲をする、ということは私の場合あまりに普通のことです。
音楽制作の経験の無い方はパソコンで音楽を作る、ということ自体、とてつもなく敷居の高い行為なのでしょうが、それによって得られる恩恵はあまりに大きいです。
例えば、4小節分音符を書いたところで、それをシーケンサに打ち込んで何度も聞いていくと、理屈ではおかしくなくても、いま一つ居心地の悪い響きがあったりすれば、すぐ直してまた聞き直すができます。逆に、こんな音の重ね方をしても、思ったとおりに聞こえるかとか、場合によっては、かなり和音的に崩しても変に聞こえないかとか、すぐに聞けるからこそちょっと試してみたくなります。
そういう経験の積み重ねが、長い目で見れば引き出しの多さに繋がるわけで、作曲の習熟に大いに役立つのではと私は思います。

ちなみに、現在私が使っているSibeliusという浄書ソフトは、楽譜を打ち込むと、それなりにMIDIを再生してくれてこれがまた便利。浄書ソフトは昔からそういう機能は持っていたけれど、近年は使い勝手もかなり向上しています。
ちなみに今度出るSibelius5では、標準で高品質の楽器音を内蔵していて、浄書ソフトだけで音楽制作用ソフト(DAW)に近い音が出るようになります。
そんなわけで、コンピュータ浄書ソフトはいまや私の最も重要なアイテムの一つとなっています。

2008年3月1日土曜日

五つの母音の冒険 出版!!

Vowel一昨年、朝日作曲賞を受賞しました「五つの母音の冒険」ですが、この度出版されることとなりました。
先日も、初演の様子を YouTube にアップしましたし、こうやって少しずつ露出を増やしていって、興味を持ってくれる方が増えることを期待しております。
出版元はケリーミュージック。装丁はかなりシンプルなもので、一般的な合唱楽譜に比べるとかなり見た目は劣りますが、その分、お安くなっています。税抜きで1000円。なお、販売は今のところパナムジカさんのみとなっています。

まあ、率直に言って、ヴォカリーズ作品を喜んで取り上げるような団体というのは、なかなか無いとは思います。しかし、だからこそ個性的というか、エキセントリックというか、そういうことを是としている団体が取り上げるには、面白いレパートリーになるのではと思います。
全国の、我こそは個性派合唱団、と思う団体の方、まずは楽譜を眺めてみてください。そして、色々な演出を想像してみてください。何か面白いアイデアが思い浮かんだようなら、後はもう演奏するだけです!