2014年6月28日土曜日

もし硬派なプラネタリウムがあったら

先日久しぶりにプラネタリウムに家族三人で行きました。
KAGAYAという方が作っている「銀河鉄道の夜」の上映を見ました。
内容自体は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の世界に興味を持ってもらうようによく出来ていますし、何しろ美しいCGがとても幻想的で、多くの人がひとときのエンターテインメントとして楽しめる内容になっていると思います。

プラネタリウムについてはかなり前に一度書いたことがあります
これも15年前に書いたものなんですが、このときにも書いた通り、私は大昔の単純に星座を紹介していたプラネタリウムのあり方にとても郷愁をおぼえるわけです。
確かに、技術が古かった当時を懐かしく感じ、それ故に現状に寂しさを感じるというのはよくある話なのですが、それ以上に、やはり現状のプラネタリウムの番組上映の現状は、やや歪んでいるのではないかという気持ちを拭うことが出来ません。


今でもプラネタリウムは科学館のような場所で上映されます。
科学館という場所は、多くの人々に科学に興味を持ってもらうようにいろいろな展示や、参加型のイベント、各種上映などを行っています。

実際のところ、そこに来る人に科学に興味を持ってもらうため、どのように展示品を見せたら良いのかというのは大変難しい問題なのですが、最終的に科学館ではお客様に何らかの科学的啓蒙を与えることが目的だと思うわけです。
アトラクションや展示が面白おかしくあることは、簡単に楽しみたい入場者にとって嬉しいことですが、結果的にお客様に科学的啓蒙をほとんど与えないのであれば、それはやはり本来の機能を果たしていないような気がします。

プラネタリウムは20年ほど前から、ランプとレンズが山ほど集積された黒い固まりの機械から映画のような上映装置に変換されていきました。
また、お客さんが見やすいように、観る方向が一方向に固定され、天球がやや傾いて映写されるようになったように思います。おそらく映写装置が標準化されたのでしょう。
それ自体は技術の進歩だし、良いことだと思います。

しかし、半円のスクリーンで映写する内容はだんだん遊園地のアトラクションのように変化し、星の紹介はプラネタリウムだからと申し訳程度に行うようになってしまいました。

星を見ることは基本的にロマンチックなことです。
ですから、ロマンチックな気持ちになることを目的にするならば、もはや小賢しい星の紹介など必要ないのかもしれません。
ですから、それがプラネタリウムだと思わなければ星の紹介がなくたって良いのかもしれません。


であれば、単純に星の紹介だけをするもっと硬派なプラネタリウムがあっても良いのではと思います。いや、実際あるのかもしれませんが・・・

私はプラネタリウムが科学的啓蒙より多くの人にロマンチックな体験をしてもらうためのアトラクションになってしまうことは商業主義的だから良くない、などと言うつもりはありません。なぜなら商売することを否定したら、世の中が成り立たないからです。
むしろ各地の科学館が右向け右して、似たような番組が全国のプラネタリウムで上映されているこの状況においては、むしろ硬派なプラネタリウムが商業的に成り立つ可能性はないだろうかという気もするのです。

プラネタリウム自体は小さくても構いません。
が、必ず季節の星座を紹介し、直近の天体ショーについて説明し、場合によっては星座にまつわるギリシャ神話を紹介し、おシャレでややマニアックな音楽をかけて、外に出るとちょっとしたカフェなどついていれば良いでしょう。
こういう場所なら、ちょっと通ってもいいよなあと私は思いますが、いかがなものでしょうか。

2014年6月22日日曜日

Macbook Airを買った

PCは27インチのiMacがあるものの、ノートパソコンを持っていないので、これまで出先でPCを持ち歩くということをしたことがありませんでした。

ところが、今年になってOSC浜名湖とかメイカーズミーティングに参加して、こういった場でPCを持っていないのは厳しいなと痛感。もちろん、それ以前からイベントに参加するならノートPCはいるだろうと思っていましたが、今年はこれからMaker Faireもありますから、このタイミングで思い切って買うことにしました。




iMac, iPhone, iPad と完全Appleワールドに染まっている私としては、持ち歩き用PCはMacbook Airしか考えられません。
しかも、メインマシンはあるので、携帯性を重視し、11inchの小さいほうにしました。今後のことを考えてさすがにメインメモリは8GBにしましたが、SSDも小さいほうの128GBです。書類等はなるべくクラウドで共用するつもり。

全てAppleワールドでまとめると、購入してApple IDを入れるだけで、ブックマークやら、これまで購入しダウンロードしたアプリやらが簡単に共有できます。
一頃に比べるとPCを買ったときの手間が全然簡単になっています。Windowsはまだまだ大変かもしれないですけどね。


今回、何気なく購入時にUSキーボードにしてみたのですが、よくよく見ると日本仕様とキーボードのいくつかのキーの大きさや動作が異なることに今さらながらに気付きました(知らないで買うのも間抜けですが・・・)。
特に最初に困ったのは、スペースキーの両側の「英数」「かな」キーが単なる「コマンド」キーになっていること。変換は頻繁にするのでこれが違うと使い勝手が悪くなってしまいます。
ちょっと調べてKeyRemap4MacBookというアプリで各キーの意味を変えられることが分かり、それをインストール。おかげさまでこの件はことなきを得ました。

しかし、以前からかな入力をしないのに、ひらがなが書いてあるキーボードが何となく間抜けな感じに思っていたのです。
せっかく持ち歩き用にノートPCを買ったので、使い勝手は二の次にしても見た目を重視してみました。そういう感覚が最近は大変重要だと感じていますので。

ということで、これからMacbook Airにガンガン働いてもらおうと思います。


2014年6月15日日曜日

未来のDAWを考えてみる

DAW(Digital Audio Workstation)とは、PC上で使う今どきの音楽製作用アプリケーションのことを言います。
たいていの場合、トラックを複数作ることが出来、各トラックにオーディオを貼り付けたり、ソフトシンセをアサインしてMIDIで駆動させたりします。
各トラックは、音量やパンニング、エフェクト設定などをミキサー風の画面で設定することが出来ます。
今ではこのDAW、オーディオを直接編集したり、MIDIを直接編集したり、ソフトシンセやエフェクト等のプラグインを読み込んで、その設定画面を表示したりするなど、音楽製作のあらゆる面をサポートする化け物アプリになりつつあります。


私が、現在のDAWでイヤなところは、まさにこういう何でも出来るというごった煮的なところです。
音楽を作る、という行為にはいろいろなプロセスが含まれます。大雑把に言えば以下のようなプロセスが考えられます。

  1. 曲構成や楽器の選定
  2. 演奏情報の入力、編集
  3. エフェクト、ミキシング、マスタリング

もちろん、もっと細かく分けることも可能でしょうが、自分の中では上記三つは作業として大きく異なっているように感じます。

音楽製作のアウトプットがオーディオ情報である以上、上記3の作業まで必要なのでしょうが、ある意味最も音楽的素養が必要ないのが3の作業でもあります。もちろんあるに越したことは無いけれど、3の作業はいわゆるレコーディングエンジニア的な作業であり、それはそれで大変奥の深い世界です。むしろ、それを苦手とする音楽家は多いと思います。

ところが多くのDAWは、特に最終段の3の作業が最も重要な仕事となるようにアプリの仕様が考えられているように思えます。
普通にピアノを弾いたり、楽譜に音符を書いたりしている人たちの中で、本当はこういったエンジニア的な業務は避けて通りたいと思う人も多いのではないでしょうか。
であれば、3の作業を別アプリで出来るようにしたり、あるいはある程度決めうちでそこそこの音を出させるようなアプリの仕様を考えることだって可能なように思えます。


私にとっては、やはり1や2の作業が中心となるDAWってないものかと思うのです。
その場合、ミキシングはざっくりやるか、別のDAW用にエクスポートしてしまえば良いのです。

逆に今のDAWのようなミキサー画面を中心とするのではなく、この音楽にはどのような楽器(パート)が使われるか、といった考え方を中心の画面にしたいです。
例えば、バンドならステージの上にギター,ドラム、ベース、ボーカルのような楽器が配置されます。そう、まず思い付くのはGarageBandのような画面です。あれをもう少し音楽家専門のアプリとして洗練させたいのです。
また、オーケストラなら、舞台上に各種のオーケストラ楽器を配置します。
他に、シンプルな弾き語りとか、室内楽とか、ジャズトリオとか、そういった楽器編成の形態を一番メインの画面でうまく見せるべきです。

音楽は基本的に時間軸をベースに作るので、右方向に時間軸が進んでいくような画面がメインとなることに異論はありません。
ただし、今のDAWでミキサーのトラックのように見えているものは、各楽器のパートのように見えるべきだし、また生の波形を見せる必要は全くありません。
むしろ見せたいものは、MIDI的な演奏情報です。ただし、楽譜では微妙なエディットが出来ないので、いわゆるピアノロール的な表現がやはり良いでしょう。

ここまで書くと、今のDAWとそんなに変わらないじゃん、というツッコミもありそうです。しかし、オーディオでなく、音楽情報をベースに全体を作り替えれば、かなり雰囲気の違うアプリになるのではないかと私は思うのです。

例えば、音楽にとってテンポ、拍子、調性はとても大事なものですから、こういった情報を非常に扱い易くしてあげる必要があります。
また、拍以下のtickの表現ももう少し何とかならないかとは思います。
画像がピクセルで表現する以上、一拍を480まで分解出来るみたいな表現は必要になるとは思いますが、例えばこの数値表現はジャストの位置に対する差分情報にするとか、もう少し扱い易くする方法はあるのではないでしょうか。

また、楽器の演奏情報の入力も、楽器の種類によって多少異なっているべきです。
管楽器は1つしか音が出ないのだから、複数音が出るようなエディットが出来る必要がありません。ギターも6音で十分だし、そもそもコードストロークというような表現で入力したくならないでしょうか。一音ずつ入れてたら面倒過ぎです。
そして、ボーカルは・・・今ならボーカロイド専用エディット画面ですね。


みたいなアプリがあったらいいなと思うわけですが、こういうのは言葉にしてお互い共感しても、実際に考えだすと同床異夢ということも多く結局は欲しいと思った人が作ってみるべきなのでしょう。
とはいえ、自分の理想の音楽製作環境をいろいろと語り合うのは楽しそうですね。

2014年6月11日水曜日

Magic Fluteの運指

電子オカリナあらためMagic Fluteの運指について紹介しましょう。

運指については以前もすでに書きました
ところが、その後何回も修正を入れており、その度に演奏に苦労しています。

最新の運指表を作ってみたので、まずは紹介します。


以前の状態から変えた点として、#とbの扱いがあります。
以前は#とbのためにわざわざ二つのスイッチをあてていました。完全な異名異音にする布石だったのですが、さすがにこんな拘りを受け入れる人は少ないと思い、半音は一つのスイッチのみを使うことにしたのです。
その代わり、一律半音上げたり、下げたりするのではなく、階名によって#になったりbになったりします。ド、レ、ファ、ソのときは半音上がり、ミ、ラ、シは半音下がります。

もう一つはオクターブ。
オクターブ用にスイッチが二つ出来たので、これで3オクターブの音域を確保しました。スイッチが2個だからといって4オクターブにはしません。さすがに単音楽器で4オクターブは音域が広過ぎる気がするし、論理演算のようなスイッチパターンも覚えるのは結構つらいでしょう。
なので、シンプルに2個押さえたら一番低く、1個押さえたら真ん中のオクターブ、全部離したら一番高い音程、ということにしました。

まずはこの運指で作った楽器を自分でたくさん吹いて,楽器としてそれなりに使えるかどうかを試してみたいと思っています。

2014年6月5日木曜日

電子オカリナあらため "Magic Flute"

さて、ついにMaker Faireに参加します。
場所は大垣。紹介サイトはこちら

Maker Faire参加に際して、「浜松手作り電子楽器クラブ」という団体名や「電子オカリナ」という出展作品名も変えるつもりです。

団体名はおいおいお知らせしますが、この電子吹奏楽器は今後「Magic Flute」という名前にします。
確かに電子オカリナという名前なら内容は良く伝わるのですが、今後の発展の仕方に制限がかかってしまいます。

というのは、今は吹き口が横についていてオカリナのような形になっていますが、吹き口を筒の向きと同じにすればリコーダーのような形にもなります。
私の考えているこの電子吹奏楽器の今後の発展形は、オカリナ型、リコーダー型などの複数の形状を想定しているのです。

形状はいろいろなものを考えていますが、この楽器のアイデンティティは6つの穴による音程指定の方法や、音色、音程のコントロールの仕方にあります。
このアイデンティティをキープしながら、楽器の形はいくつかのバリエーションを提供したいと考えています。

現時点でのMagic Fluteの写真をお見せします。

Maker Faire本番までには、LEDの取り付け部分などもう少し改良していくつもりです。
では、乞うご期待!