2014年8月24日日曜日

OMMF2014で感じた未来

Ogaki Mini Maker Faire 2014が盛況のうちに無事終了。
私も二日間、Magic Fluteを吹き続け、そして何人もの方々に説明をしました。たった一人での参加でしたから、もしかしたら誰か説明を聞きたかった人を逃してしまうかもしれないという気持ちで、トイレに立つ時間さえ惜しく感じ、ずっと自分のブースに貼り付いていました。
もう少し他の出展者のものも見たかったのですが、それより自分の出展のほうが気になってしまったというのが正直な気持ち。
ちゃんと見れなくてもったいないという気持ちも半分ですが、それ以上に自分の作品の紹介が出来たという満足感もあります。(写真は私のブース)



このイベントの来場者はかなりの人数だったと思います。
会場全体は大変盛況でしたし、一部のブースはいつも人だかり。アトラクションとして大変面白いものもあったようです。(3D影絵は見たかった。みんな面白かったと言ってたので)

実際のところ、私のブースは必ずしもお客が多かったわけでもなく、かなり長い時間は一人でただ座っていたのですが、それでも注意を惹こうと延々と笛を吹いていました。
何人かの方は興味を持ってくれて、私の説明を聞いてくれました。さらに何人かは、お客様にも関わらず自分の想いを語ってくれた方もいて、いろいろ面白い話を聞けました。
あと、IAMASの学長さんとか、某楽器メーカーの社長さんとかも展示を訪れてくれたのは良い想い出(!?)となりました。

土曜の夜の懇親会では、同じく浜松から出展されていた方々といろいろと親しく話をすることができ、またその他の出展者の方の話を聞けて、これまた大変刺激を受けました。
Denhaさんが語ってくれたシンセ話は大変マニアック。未だにこういったシンセマニアの方々が日本中に点在しており、ウン十年前にシンセにワクワクした気持ちをMakerとして再び甦らせようとしているのです。改めて、電子楽器とMakerがとても相性が良いと思わされました。



二日目は、近くで「音で制御するラジコン」を出展されている方と突発的にちょっとコラボすることになりました。私がMagic Fluteを吹いて、ラジコンを制御するという実験をしてみたのです。
いろいろと試行錯誤した結果、最後は何とか私の笛でラジコンが制御できるようになりました。機材の関係で、実際に走らせたわけではありませんでしたが、そんな突発のイベントが起きるのが、こういう場の面白いところ。


会場は若い方、女性も大変多く、Maker Faireがオタクの祭典とは違うノリであることを思い知らされました。若い人からすれば、Maker Faireに出ることはちょっと先端を走っているカッコいいこと、なのではないでしょうか。
これこそ十数年後の未来を占うようなムーブメントなのではないかという気持ちを新たにしたのです。


長年参加されている方には、新参者が何言ってんだ〜と思われそうですが、好きで何かを作っている人たちが持っている熱気こそ、今我々の社会で失われている何かを補完する力を持っているような気がするのです。
まだ、ほとんどが個人の趣味でやっているものなのでしょうが、これがある段階で組織のアウトプットを凌駕するような力になるのは、時間の問題のような気がします。

そして、時代の主役は企業から、個人に移っていくのでしょう。
そういう未来をかなり確信することが出来た二日間でした。


2014年8月16日土曜日

OMMF2014に出展します

一週間後に迫ったOgaki Mini Maker Faire 2014(OMMF2014)に出展します。
Maker Faireとは、個人でモノ作りをしている人が集まって、それを披露しようというイベント。もともとアメリカ発祥のイベントで、出展するものは基本的には何でもアリですが、日本の場合、比較的電子工作系の作品が多いようです。
OMMF2014のサイトはこちら

私が出展するものは、もちろん、今までこのブログで紹介してきた「Magic Flute」です。
Maker Faireは今回が初めての出展なので、いまから大変楽しみにしています。たくさんの出会いや刺激があることを期待しています。

今まで、OSC浜名湖や、浜名湖メイカーズミーティングでは「浜松手作り電子楽器クラブ」というクラブ員1名のアヤシい団体名を名乗っていましたが、今回よりさらにアヤシさパワーアップで「奇楽堂(きがくどう)」という屋号で活動することにしました。

以下に関連するページを紹介しておきます。
奇楽堂のサイト
MakersHubのMagic Flute紹介ページ

もしOMMF2014に来られる方がいましたら気軽に声をかけてください。
Magic Fluteの生演奏も行ないます!




2014年8月10日日曜日

人はなぜ楽器を弾くのか

楽器を売る立場として、どのような楽器が売れるかは良く考える機会があります。
しかし、どうも私の想いは、一緒に考えようとする人たちの想いと少しずれることが多いのです。

私自身は日々楽器には触っているものの、人前で弾くような機会は無いので、必ずしもハイアマチュアとは呼べないレベルではあるのですが、それでも音楽の厳しい側面は知っているつもりです。
だから「楽器を弾く」ということに、何かひたすら楽しく、健全な印象を持っている人が多いことにやや違和感を抱くのです。


ほとんどの音楽愛好家にとって、楽器を弾いている時間は練習している時間です。
だから、楽器を練習するということはどういうことか考えれば、多くの人が望む楽器やサービスが思い付くような気がします。

しかし、どのような楽器が欲しいか、というお題でブレストすると、多くの人は一緒にアンサンブルして楽しいとか、簡単に曲が作れるとか、勝手に最適な音色が選ばれるとか、やや都合のいい意見ばかり出てきたりしてしまいます。

しかし、そもそも私たちはなぜ楽器を弾くのでしょう?
誰のために楽器を弾くのでしょう?
自分のため?他人のため?
自分の身近な人のため?会ったことも無い人のため?

確かに音楽を聴いて気持ちいいと思ったり、自分で弾いてみてさらに曲が好きになったりして、それをただ再現しようとするだけで楽しいのは確か。
ほとんどの人は、ただ自分のため、自分が気持ちいいと思う快楽のために楽器を弾いているのかもしれません。

しかし、そこに人が絡んでくると話はちょっと変わります。
新しく絡んできた人は、あなたの演奏を聴いてくれる人でしょうか?
それとも一緒に楽器を弾いてくれる人でしょうか?

いずれにしても、もう一人関わる人が増えることによって、楽器から奏でられる演奏そのものの質が何らかの意味を持ち始めます。
曲をうまく弾ければ、「スゴい!」と褒めてくれるかもしれません。しかし、そういう評価をもらうためにはそれ相応の練習が必要です。
他人とのアンサンブルをするのなら、相手に失礼にならない程度の譜読みを事前にやっておくべきでしょうし、あまりに下手だとアンサンブルの場にも微妙な空気が流れます。
逆に十分に演奏が上手い人には、練習する必要さえない場合もあるでしょう。そこには歴然とした実力の差が存在するわけです。

そうやって、自分一人の快楽で楽しんでいた楽器演奏が、他人が絡むことによって「練習」と「評価」というただの快楽で済まない要素が必ず現れます。
そこには、誰でも弾いて楽しめる、という夢のような世界はないのです。


それでも、楽器を買ってくれる多くの人は、一人で演奏して、自分の快楽のためだけに弾く人がほとんどです。
楽器を売るのなら、このような人たちの感覚を無視するわけにはいかないのですが、音楽文化は楽器を人に聴かせるための厳しい世界にいる人たちこそがドライブしていることは忘れてはいけません。

楽しい世界と人に評価される厳しい世界、両輪を理解することでより深みのある楽器が生まれてくるのではないかと思います。

2014年8月2日土曜日

Magic Flute動画作成

楽器を作っているのなら、音を聴いてもらわねば評価をしてもらうことはできません。
ということで、恥ずかしながら、Magic Fluteの演奏動画を一つ作成しました。



曲は「故郷」です。
ピアノ伴奏は私がアレンジしたものです。メロディがシンプルなので、伴奏は若干凝ってみました。

笛の音は単なるサイン波なので、やや単調な感じは否めませんね。もう少し華やかな音を目指すのか、演奏表現を増やしていくかはまた少しずつ考えていきたいと思います。

全然顔が見えないって?
やっぱり少しくらい吹いている様子は見せても良かったかなあ・・・